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最高裁判所第三小法廷 昭和25年(オ)65号 判決 1951年2月20日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人横田隼雄の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりである。

第一点に対する判断。

(イ)原審における昭和二四年一一月一七日午前一〇時の本件口頭弁論期日の調書には「被控訴代理人横田隼雄出頭」と記載してあるから同人が右期日に出頭したものと認める外ない、従つてその出頭がなかつたことを前提とする論旨は理由がない。

(ロ)所論委任状には「拙者儀弁護士仙道兵太郎氏を代理人と定め左の権限を委任す拙者より宮山盛夫氏に係る不動産仮処分控訴事件に関する一切の行為」と記載してあり、委任者として被上告人等九名の記名印影が認められ原審における被上告人等の右仙道兵太郎に対する本件控訴事件にかかる訴訟委任状と認められないことはないから論旨は理由がない。

第二点に対する判断。

原審は論旨第一点所論の委任状により被上告人等代理人に代理権ありと認めて審理判決をしたものであること明らかであり、その措置に違法はない。そして弁論終結後に所論の様な弁論再開申請があつたからといつて原審は再開しなければならないものではない、それ故原判決に違法ありとすることはできないので論旨は採用に価しない。

よつて民訴四〇一条、同九五条、同八九条に従つて主文の如く判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)

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